牌語備忘録 -pygo

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初めて買ったマンガ本は『ドラえもん』

幼稚園に入る前あたりの頃の話。


「この券を本屋さんに持っていくと、好きなマンガ本に交換してもらえる」と姉に図書券を貰った。
今はもう無いみたいだけど商品券みたいなやつ。三枚。
嬉しくなって速攻走って本屋に向ったのを覚えてる。
一人で。


近所にあった小さな本屋。子供の時に小さいと思うほどだから、相当狭い店だったと思う。
図書券が三枚あったから、マンガの単行本を三冊両手に抱えてレジに持っていた。
狭い店の奥にある狭い場所にあるレジ。お店の人はそこに一人だけ。


何て言われたかはっきり覚えてないけど、レジにいたお姉さんにこれでは買えないみたいな事を困り顔で言われたと思う。ちょっと半笑?
この時はまだ笑顔で図書券握りしめてたと思う。
でも意味がよく分かんなくて、一冊だけ棚に戻し、二冊抱えてまたレジに戻った。マンガ本の棚はレジの目の前だったんだけど。
当然、先刻と同じように対応されて交換できない。
さすがに困惑したというか、漸く何かおかしいと感じ始めた気がする。


しばらくマンガ本が並んでいる棚の前で悩んで、今度は一冊だけ持ってまたレジに向った。
レジで図書券とマンガ本一冊、真剣な表情で差し出した。
お姉さんは笑顔で一言二言なにか話してから、マンガ本を袋に入れ、ボタンをカチャカチャといじってレジを開いた。
図書券とマンガ本を交換してくれた。
このとき超嬉しかったのを覚えてる。小おどりしたかもしれない。
初めて自分のマンガ単行本を手に入れることができた。
それが『ドラえもん』第一巻。


帰宅して姉にマンガ本を見せると、なぜか驚いてた。この理由は後に判明する。


それから何年も月日が流れて、ふと気が付いた。
図書券三枚って、百円券が三枚だったのではなかろうか。当時のマンガの単行本は三六〇円くらい?
金額足りてない。
それを本屋のお姉さんは解ってて売ってくれた。優しい素敵な人だね。
図書券をくれた姉が驚いていたのは、金額足りなかったことを知ってたんだろうね。
券をくれる時、顔がにやけてたもの。






これ見て思い出した
D


ドラえもん第6巻収録の「さようなら、ドラえもん」は名作だと思う。